妊娠中は期待や不安が募る期間だと思います。 またそれに日々体調の変化もあると思います。 その大切な期間に、歯磨きがおそろかになったり、つわりで食事が摂れず不規則な生活になってしまう方も多いかと思います。 嗜好の変化で酸味がほしくなることもあると思いますが、果実の酸や胃酸で歯の表面がダメージを受けることもあります。 さらに妊娠すると女性ホルモンの増加等で炎症性物質の増加が認められます。 それにより歯肉の炎症を助長し歯周病になりやすくなります。 歯周病は陣痛を起こす生理活性物質産生(プロスタグランジン)を促進させるため、早産の可能性を増加させるといわれています。 また乳歯が作られていく時期は、胎生期7週目から始まるので乳幼児の健康なお口を確保するためにはマイナス1歳からの母親の口腔管理がまだ見ぬお子さんのためになります。 安定期である5か月あたりから8か月くらいまでに受診されることをお勧めします。 痛みやその他の症状があれば随時応急処置をしますのでご連絡ください。
女性が妊娠を望むなら、歯ブラシとデンタルフロスで歯の掃除をこまめに行う必要がありそうです。 欧州ヒト生殖学会にて、歯周病が妊娠の成功率に悪影響を及ぼすとする研究成果が発表されました。 西オーストラリア州でアジア系を中心とした若い夫婦3416人を対象に医学的調査を行った結果、妊娠までの期間は、喫煙や体重などの要因を加味した場合でも、健康な歯ぐきを持つ妊婦では平均5か月だったのに対し、歯周病の妊婦では平均7か月を要したとのことです。 医師らは、妊娠が遅れる原因はお口の細菌が引き起こす炎症にあると考えており、 口腔内の炎症が生殖系の組織に波及効果をもたらしている可能性があるとのことです。 お口は身体の入り口なので、お口の中を清潔に保つことで、様々な疾患を間接的に予防することができるといえます。